海洋温度差発電のインパクト
地球環境セミナー『地球大学』第6回地球温暖化シリーズ(3)
「Beyond Petroleum!~ポスト石油時代のエネルギービジョン~」
に行ってきました。
テーマは、化石エネルギーに替わる自然エネルギーの現状と展望。
脱石油+脱原発への代案が、ここまで成熟してきているという例として、「海洋温度差発電」の現状を佐賀大学助教授の池上康之さんがレクチャーしてくれました。
海洋温度差発電とは太陽光を利用した自然エネルギーです。どうやって発電するかというと、海水の表層(25~30℃)と深層(10℃)の温度差を利用するそうです。その温度差は約20℃程度。それだけの違いで発電できちゃうの?と思ってしまいますが、たった20度程度の温度差で発電できてしまうことの理由の一つとしては、海水には常に太陽からのエネルギーが蓄えられていて、もともとエネルギー密度が高いからだそうです。
<海洋温度差発電の特徴>
・クリーンで再生可能なエネルギー
・無尽蔵+安価なエネルギー
・安定したエネルギー
・環境問題への貢献度が非常に高いエネルギー
海水の温度差を利用して発電するわけだから、化石エネルギーに比べて、クリーンで安全なのはイメージしやすいと思います。また環境問題への貢献度としては、海洋深層水(水深200m以下の深水に分布)を利用することで、海を修復して魚場の造成につながり、co2排出量も、化石エネルギーはもちろん、他の自然エネルギーと比べても低く抑えることができます。
海洋エネルギーはインド、英国、米国などで注目度が高く、積極的に取り組まれているそうです。特にインドでの取り組みは非常に進んでいるようです
実際に海洋温度差発電でどれくらいの発電が可能かという目安については、こんな説明がありました。なんと、インドにおける10年後の海洋温度差発電による発電量は、現在の日本の原子力発電の総量に匹敵することが予測されるのだそうです。これはすごい話だと思いませんか?
この話を聞いて、海洋エネルギーへの注目度が低い日本はかなり遅れていると感じざるを得ません。海洋温度差発電の技術自体は、日本はトップレベルなんだそうです。しかしながら、認知度が低いこと、事業化する際にクリアすべき法的な問題がかなり多いことなどの障壁があるそうです。
もちろん海洋温度差発電には問題がないわけではありません。非常に大規模な発電の試みはこれからだし、温度差が利用できる海域は陸から離れている場合が多いから、そこからどうやって効率よく電気を運ぶかという問題もあります。仮に世界中で海洋温度差発電が行われたとして、このことが海流全体に及ばす影響も考慮しなければなりません。
しかし、海洋温度差発電が自然エネルギーとして非常に有力であることは疑いないことだと思いました。日本でももっと認知度が高まって、早く実用化が進めばいいなと思います。
投稿者 suemura : May 24, 2006 11:36 PM
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